ZenFone5からSAMURAI MIYABIに乗り換えた話

ASUSスマートフォン ZenFone5をずっと使っていました。

数ヶ月前のことですが、1つの事実に気づきました。

 

ZenFone5は水没させると壊れるーーー

 

私はトイレに居た。

まさか未来にそんな事実が待ち受けているなどと知る由もなかった。

私は「大」を済ませ、立ち上がり「大ボタン」を押下して水を流す。

ジャーと派手に水が流れてゆく様はまるでナイアガラの滝壺を見ているようだった。

そんなことを考えながら、下着とズボンを履くために少し腰を曲げ屈むのだった。

下着とズボンを一緒に手に握り持ち上げる。

もう少しという所で、ポケットに収まっていたはずのスマートフォン

決死の覚悟を決め脱走するかのごとく飛び出した。

スマートフォンはみるみるナイアガラの滝壺に落ちてゆくが、私はどうすることも

できなかった。

便器にぶつかった瞬間にガツンッという音とボチャンという音がしたかと思えば

軽く水しぶきを跳ね上げた。

その瞬間にサーカスの空中ブランコ失敗シーンを連想した。

すぐに「そんなこと考えている場合じゃない」と思い返し、便器の水に素手を入れる

というなんとも言えない行為も顧みずスマートフォンを掴みあげた。

咄嗟の判断で、すぐに背面カバーを開けてバッテリーを取り出した。

そのまま水道水で綺麗に洗ってから、1週間程大量の乾燥剤入りジップロック

にいれ内部の乾燥を待った。

その間はまるで病気になった彼女を看病するかの如く心境だった。

 

それから1週間ーーー

運命の時。

電源ボタンを押すと、画面にはドロイド君が表示された。

「よかった、無事だったんだな!」と思ったのも束の間

画面が消えて再起動した。

幾度も幾度も繰り返した。

しかし、彼女はもう二度と戻ることはなかった。

「ごめん、ごめんよ」

なぜ私はもっと早く彼女の気持ちに気付いてやれなかったのか

外の世界はとてつもなく広く、自由であったというのに

ポケットという限りなく狭い世界に閉じ込めてしまっていた。

そんな環境に耐えかねて、彼女は決死のダイブを敢行したに違いないのだ。

私はなんという罪を犯してしまったのか。

しかし、ここで立ち止まっていても仕方がない。

行動を起こさなければ何も変わらないのだ。

そう考え私はSAMURAI MIYABIを購入して、新しい彼女を手に入れた。

めでたし、めでたし

 

 

 

 

 

 

とはいかなかった。

やはり人生は何が起きるかわからない。

私が彼女と新しい人生をスタートして数日、とても満足していた。

彼女の性能はアップしたし、とても満足していた。

彼女の中に潜んでいた不要なアプリケーションを停止しまくって

バッテリー駆動時間もとても伸びて、まさに言う事無しだった。

 

私はその日の夜、そろそろ寝ようと思いトイレに向かった。

なぜか「大」をしたくなる。

ポケットにはスマートフォン

そう、あの時の状況と酷似している。

しかし、その時私はまだ気づいていなかった。

 

「大」を済ませ、立ち上がり、水を流し、下着とズボンを持ち上げる。

そして次の瞬間、新しい彼女もあの時と同じように滝壺へとダイブする。

あの時と同じように音がして、同じように水を跳ね上げた。

私もまたあの時と同じようにスマートフォンを掴み上げる。

すぐにカバーとバッテリーを外したあとに綺麗に水洗いした。

最早手慣れたものである。

今回はカバーを外した状態で常温で1週間放置した。

 

1週間後に恐る恐る電源を入れてみると

MIYABIの起動画面が表示される。

 

あの時と唯一違うのは、彼女が帰ってきたこと。

彼女は「侍」というその名に恥じぬ力で、地獄の底から這い上がってきたのだ。

 

それから数ヶ月、彼女は今も元気です。

水没しても大丈夫。そう、SAMURAI MIYABIならね。(嘘)

 

ここまで無駄に物凄く長い文章を書きましたが、何が言いたいかというと

ズボンを上げる瞬間のスマートフォンには気をつけろ!